技術書典5にサークル参加した記録

88年生まれ同い年の同僚たちと3人で、サークル名【88】として参加し、自分は『RDBMSのナカミ』という本を頒布しました。

BOOTHにも出品しています。

kabaome.booth.pm

pdfのみ122ページ、500円です。500円あれば100円均一の商品が5個買えると思いきや、消費税があるのでダメですね。話を戻します。ご興味ありましたらどうぞ。

参加の経緯

7月末頃、TwitterのTLで技術書典の存在を知りました。昼食を共にした同僚2名とその話になり、勢いで応募したら当選しました。技術書典どころかコミケなど同人イベントに一般参加すらしたことがなかったので、「"サークル"って何ぞ…?」くらいの状態でした。

各自思い思いのテーマで書き、当日までに3人とも仕上げて無事頒布することができました。よくがんばりました。我々。偉すぎ。

収支

目的は締切駆動学習ですが、せっかくの同人イベントなので、収支も簡単に紹介します。

当日76冊、その後BOOTHに出品し現時点で14冊をご購入いただいています。合計で90冊。よって売上は 500円×90=45,000円 です。一方、個人の費用は合計で約5,000円です。

  • 参加費(割り勘): 約2,300円
  • 見本誌製本、DLカード印刷: 約1,700円
  • ブース設営グッズ(割り勘): 約1,000円

以上より、40,000円程度の利益です。赤字にならなければ万々歳、くらいの気持ちだったので、まあ良かったです。

もちろん、これ以外に膨大な著者の時間と労力が投入されています。そういう意味では超絶赤字です。真紅です。利益を得る目的なら絶対にオススメしません。バイトとかしてください。

よかったこと

初のサークル初参加、諸々含めて、大成功だったと思っています。後世のためにやってよかったことを挙げてみます。

3人でやった

1人だったら確実にモチベーションが切れていました。RE:VIEWで書き、Bitbucketで管理して、Circle CIでEPUBをビルドして、Slackにポスト、としていたので、他者の進捗が通知されてきていいかんじに焦りを生成していました。

また、合同誌ではなくそれぞれ独立した本にしてよかったです。テーマが近しいならともかく、別々なら各自が責任をもつスタイルがよさそうです。お互いにレビューし合うこともでき、そのために前持った締切をお互いに設定しあえる環境もよかったです。最高の仲間。

割り切った

まず、応募直後の段階で紙をあきらめ電子版のみにしたのは完全に英断でした。締切が極度にタイトになり、生産コスト、在庫コストを抱えるのは、初参加かつお作法を知らない状態ではリスクが大きいです。当日の設営や撤収も瞬殺でした。「紙版があったら買ったのに」という損失は(0ではなかったですが)想定していたほどはなかったように感じます。

また、値段を500円均一にしたのもよかったです。オペレーションがシンプルでした。ちなみに他サークルをみるかぎり、500円はかなり安い部類です。原価がかからない電子版にしたからこその価格設定です。

毎日書いた

たとえ1行でも、帰宅が遅くとも、とにかくなにかを書いて進めました。自分は筆が遅い自覚があるし、未知のことを勉強しながら書いていたので、直前ブーストは確実に無理だとわかっていました。

また、これも自分の特性上、途中で途切れるとモチベーションもそれに応じて減衰するので、注意を維持する意味でもよかったです。

早めにした

紙を諦めたことで入稿の締切からは解放されましたが、諸々の納期を早めに設定し&共有したことで、初参加にもかかわらず直前や当日のバタバタはほぼなかったです。天才すぎますね。

他の2名はわかりませんが、自分個人としては、最終週は何もやることがない状態でした。印刷物など外部発注系は真の詰みがありますし、早めであればあるほど安いです。精神的にも安泰です。

余裕すぎて、技術書典直前の土日は温泉旅行に行っていました。そしたら台風が直撃して、飛行機が飛ばないかもってなりました。危うく技術書典に参加できないところでした。

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客室からみた風景(自慢)

ノリで応募した

結局のところこれです。やってみようかな〜と思ったらとりあえず応募してみて、当選したらやれる範囲でがんばる。それだけ。

所感

執筆、サークル参加の両面で、とてもよい体験ができました。執筆面では、知らないことや、わかっているつもりがまったくわかっていないことの連続で、もはや勉強にしかならなかったです。サークル参加の面では、自分が書いたものを目の前でいろいろな人が読む様を、眺めているだけで楽しかったです。

自分のテーマは超絶シブく、50代の太った男性が主なターゲット層だと思っていたのですが、港区という名の異世界から迷い込んだのかな?と思わせるようなメイクバッチリの淑女や髪型ガッチガチの紳士が、弊見本誌を鋭い目で眺めている姿をみて、嬉しくも不思議な気持ちになりました。

反省としては、もっと会話をすればよかったなと思いました。後半はたまにこちらから聞いてみたりしていて、そのやりとりに価値を感じました。言い出しっぺとしてはサークルメイツにいい体験をしてもらいたいという意図もあったので、最初からグイグイ聞けばよかったです。

全体的に、美少女ラブみたいな空気感だったり、サークル通行証の説明文がなにかアニメ?のパロディっぽい文章だったりするのが、ちょっと自分にはきつかったです。同人文化において自分がマイノリティという自覚はあるので、やめてほしいとかは別に思いません。

運営はじめサークル参加の皆さまに対しては本当に心苦しくも、買いたいと思う本がなく、戦利品は0冊です。自分は技術!最先端!同人文化!サイコー!みたいなテンションではないですし、技術的な情報は基本的に公式ドキュメントや一般の商業誌で十分です。これは、自分の本のテーマ自体にも現れていますが、自分は最先端のイケてる技術を追いかけるよりも、積み上げられてきた理論を知り理解することのほうが楽しいと感じるためかもしれません。

今後

次回の技術書典にもサークル参加するかもしれません。そんな元気はないかもしれません。そのときもたぶんテンションで決めるんだと思います。そういうものですよね、人生って。

一方で、自分のエンジニアとしてのアウトプットは、ソフトウェアやサービスでありたいという思いも湧いてきました。本を書いて終わるのではなく、そこで得られた知識をものづくりに活かしていきたいです。明日からまたお仕事がんばろう。優等生のコメントっぽい。

さいごに

現地でブースに立ち寄り、またBOOTHから買っていただいたみなさま、本当にありがとうございました!!!!!!感想、コメントなどなど、ツイートやブログなどでお知らせいただけると、吐くほど喜びます。

サークルメイツの本もBOOTHで買えます。こちらも合わせてどうぞ。

tkrtkhsh.booth.pm hokkai7go.booth.pm