2022年のおもしろかった本

今年は読んだ本を記録してみた。トータルで110冊を読んでいたらしい。その中から、おもしろかった本を記してみる。ネタバレはしない範囲で。

三体

www.hayakawa-online.co.jp

中国のSF小説。世界規模のベストセラー。宇宙とか時間とか物理とか。 とにかくスケールがでかい。科学っぽい話が好きな人は楽しめる。かなり緻密に描かれているが、完全に理解できなくても読み進めて、なんかスゲーとなればよい。無印、II(上・下)、Ⅲ(上・下)、X、0とシリーズとおしてかなりのボリュームがある。個人的にはIIまでで十二分に楽しめる。我々の日々の悩みのなんとちっぽけなことか。

夏物語

books.bunshun.jp

小説。人口受精による未婚の高齢出産について。主人公が様々な人に会う中で考えをめぐらせ、結論に向かっていく。 いままで読んだ小説の中で突出した表現力とかんじた。生まれて死ぬことを抉る。著者が意図したとおりに感情を導かれた感覚がある。 今年の下半期は完全に同著者にハマり、他にもいろいろ読んだ。全部おもしろすぎたが、中でもヘヴンあこがれも同等にすさまじかった。

塞王の盾

lp.shueisha.co.jp

歴史小説。有名な武将ではなく、石垣造りの職人に焦点をあてているところがおもしろい。最強の矛と最強の盾、みたいな図式で、少年ジャンプみたいなアツいストーリー。石垣造りのプロセスがプロジェクトマネジメントそのもので、主人公が体験したりぶつかったりする問題に身に覚えがありすぎた。

暇と退屈の倫理学

www.shinchosha.co.jp

人文書(?)。哲学研究者である著者が、暇と退屈を起点に人間のふるまいを読み解いている。 10年前の出版だけど、コロナ禍により人類が暇・退屈と相対し、最近になって再評価されたのかもしれない。哲学書に分類されるのに、問題提起から一連の流れで哲学だけでなく歴史や心理、脳科学などを踏まえて明瞭でストーリーを感じた。ミステリっぽさすらある。

傲慢と善良

publications.asahi.com

公式曰く恋愛ミステリ。 ストーカー騒動から婚約者の行方不明を追う主人公の視点で、ミステリ要素ありつつ人間の脆弱性を的確に突いてくる。うっすらわかっているけど触れてほしくない部分に踏み込んでおり、どろっとするしんどさで、読んでてもうやめてくれという気持ちになった。

HIGH OUTPUT MANAGEMENT

bookplus.nikkei.com

インテル元CEOがマネジメントについて書いた古典的名著。 この手の本は具体的すぎると陳腐でケースバイケースおじさんになるし、逆に抽象的すぎると実戦のしようがない思想本に落ち着いてしまいがちだが、本書はそのバランスが絶妙だった。マネージャの成果を簡潔に定義している。さらっと読んでしまったので折をみて再読したい。

まとめ

今年もミーハーに世に話題の本を雑多に読んだ。完全に趣味とわりきっており、コスパがよい。2023年もよい本に出会いたい。