2023年のおもしろかった本

本日から帰省の予定だったが、昨日に子が発熱したため自宅待機。熱は下がった。昨年に比べて読んだ本は少なかった。

黄色い家

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小説。川上未映子先生の最新作。『夏物語』を読んでから一気にファンになって以来、著書はもちろんインタビュー記事まで読み漁った。あまりにもリアルで、いまもどこかで主人公たちが生きているような錯覚を覚える。90年代の華やかさの裏側にある陰鬱な社会が垣間見えて胃もたれするような不快感がありながら、それをも織り込んだ小説としてのおもしろさが圧倒的だった。

星を継ぐもの

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小説。SFの古典。昨年『三体』からSFに入門していろいろ読んだものの、いかんせん三体が強すぎて、他の作品では消化不良だった。そんな中で、初版が1980年という本作がとてつもなくおもしろかった。ミステリでもなかなかないレベルの衝撃的な展開で、え????と声が出た。あらすじだけでもひきがすごいので、みてみてください。

採用基準

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ビジネス書。タイトルに採用と入っていて、人事採用の本にみえるが、内容はもっと一般的。マッキンゼーが求める人、あるいは現代のビジネスシーンで求められる人間の要件が書かれている。一言で言うとリーダーシップであり、その内容が簡単でとてもわかりやすい。仕事をがんばりたいけどなにをがんばればいいのか、どこを目指せばいいのか、、という人は読んでみるといいかもしれない。

物価とは何か

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ビジネス書?。物価について、経済学の研究者である著者が我々一般向けに書いている。価格の硬直性、デフレの原因など、過去に実際に起きた現象、とくに直近の日本のデフレをテーマにその原理となる仮説がわかりやすかった。人々の期待によって物価が決まっていて、それに働きかけることが物価安定の取り組みであることなど、いままで何もわかっていなかったことが素人レベルでなるほどと思えて、最後まで楽しく読めた。

計りすぎ

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ビジネス書?。可観測性、客観性に偏りすぎてはいけない、という話。測定執着と呼んでいる。測定はその対象に影響を及ぼすし、利害関係が生じると歪む。測定自体のコストがそのメリットを上回る。本当に達成したいことは何か、そのために必要な手段かを絶えず考え続ける必要がある。