2020年の振り返り

気づいたら一年が経っていた。なにもやってなくてやばい。自戒のために毎年恒例の振り返り。

エンジニアリング

環境とか特に変わらず、レガシーシステムの改善ぽいことを中心にやってきた。変化としては、エディタを開いてコードを書く時間よりも、広くプロジェクトのことを考える時間の比重が徐々に増えてきた。開発組織としての体制が整いメンバーが拡充されていく中で、自分の役割が変化してきたというのもあるが、個人としてもコードレベルを抽象化していわゆる上位レイヤの段階でプロジェクトリスクを想定できるようにはなってきている感覚がある。それに付随して、ソフトウェアの設計のみでなくサービスとしての仕様や運用においても、意思決定する機会が少しずつ増えてきた。めちゃむずい。時間・予算という制約の中で、最適な意思決定をすること、また意思決定者に必要十分な情報が提供できるように精進したい。

シンプルにすること

この一年を通じて、物事をシンプルに扱いたいという欲求が、他者よりやや強めにあると実感した。ポリシーとかこだわりではなく、自分の能力的に複雑なことを理解できない。シンプルというのは例えばコード量が少ないとか、運用の手間が少ないとかそういう話ではなく、適切なモデル化とそれに準じたコンストラクションを志向するということである。

シンプルに保つということは事業価値につながると思っている。ソフトウェアや組織という系において、ほっておくとエントロピーは増大する。複雑なほうが安定するが、制御できなくなっていく。レガシーシステムを整理したりコードを消したりすることにモチベーションを覚えるのは、そのあたりにありそう。他の人がそうでないなら自分の強みであると思う。

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ひとつずつやること

ただでさえ少なめな思考力が、近年ずんずん落ちている感覚がある。特に今年は、複数のプロジェクトに同時に関わることが増えてきて、いわゆるコンテキストスイッチが追いつかず、おしごとの精度が劇落ちくんだった。例えばメンションされたときに、自分の意思とは関係なく反射的に不要なコンテキストスイッチを発生させているきらいがある。ひとつずつ精度と速度をもってつぶしていくのはもちろん有効だが、一朝一夕にはできない。つきつめるとタスクの粒度が粗く見積れてないのが原因でもある。すぐ飽きるし、ポモドーロみたいな一般的なメソッドは前世で1000回挫折している。やるならそれよりも前の段階、手を動かす前にゴールの解像度をあげることで、それ自体を訓練することです。つまり前項と同じ。直列おしごとやっていきます。

わからんということ

プルリクエストに十分な説明がないとか、Slackでポストされた日本語が読めない(主語が不明瞭、文法が間違っている、等)とかに対して「わからん」と跳ね返したり修正を依頼することがわりとある。リモートワークが前提になったことで、如実にその場面が増えた。細かいことを言っているつもりはなく、本当にわからないからそういっているのだが、どうやらみんなは雰囲気を読めるらしい。頭が良すぎる。

若いころからいまに至るまで、「何のためでしたっけ」とか「意味ありますか」みたいなことを空気を読まずに言ってしまう。完全にイタいやつ状態になることもあるが、議論の対象としている問題の認識が人々の間でズレていたり、そもそも問題が存在しなかったりすることが体感で6割くらいあった。超高度な経営上の意思決定でもないかぎり、「やってみないとわからない」ということは基本的にないはず。少なくとも、検証に値する仮説くらいはもっておかないと、労働時間に対して対価を受け取っている立場としての責務を果たせないとおもう。という理想論をもちながら、嫌われない程度にやっていきたい。

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わかっていくこと

昨年末から年明けにかけて、おしごとに関連してPostgreSQLの通信プロトコルを調査する機会があった。理解のためシリアライザをつくり、それを題材にして3月のアンカンファレンスで発表した。シャ外へのアウトプットはこれとレガシーのブログとインタビュー記事くらいで、ほとんどなかった。

kyabatalian.hatenablog.com

最新の技術とかも関心が無いわけではないが、自分はどちらかというと、こういう基礎に興味があり、かつ「わかる」という感覚に充足感を覚えることを再確認した。もともと何かを習得するのに他者より時間がかかる自覚があるし、年齢や健康状態も相まって新しいことを学習し身につける能力が年々落ちていっている恐怖がある。それでも人生は続くので、PostgreSQLのプロトコルのように、必要なもの、関心にひっかかったものについてちゃんと手を動かし、ゆっくりでも積み上げていきたい。

健康

もっとも重要。昨年はわりと体調を崩しがちだったのだが、その頻度は減った。昨今の情勢にあわせて在宅勤務になり、予防策を講じるようになったことが効いていると思われる。ただ、露骨に疲れやすくなった。在宅勤務しながらも意識して散歩したり、たまに運動する機会を設けたりとしてみたが、あまり効果はなかった。また、精神的な落ち着かなさも増幅している。これは体調不良と同時に、社会動物としての根源的欲求が損なわれている、つまり「寂しい」という感情によるものが一因になっていそう。2021年は人間と関わりたい。みなさまどうか仲良くしてください。

体重を増やすことに失敗した。あぶらっこいものを取りすぎると胃の調子が悪くなって食べる量が減ってしまう。お菓子を食べすぎているのかもしれない。健康的に体重を増やすために、根源的な欲求に訴えかけること、つまり「美味しいものを食べる」ことなのではないかと思い、コンビニ等の既製品を避け、宅食やOisixなどを活用し始めている。間違っても不健康に太ろうとしてはいけない。

趣味

ステイホームという言い訳の名のもとに、今年もけっこうな数のマンガを読んだ。その中でも『阿・吽』というマンガがとりわけよかった。

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最澄と空海に関する史実をベースにした内容なのだけど、小説でも映像でもなくマンガでなければなし得ない表現やその迫力がめちゃくちゃすごい。作者のおかざき真里さんは『サプリ』や『&』を書いた方で、現代的な人間の心情の機微と相関する部分もおもしろい。

コテンラジオというポッドキャストで最澄と空海のシリーズをきいて、ちょうど興味が湧いていたタイミングだった。コテンラジオは最澄と空海以外にも、様々な歴史情勢いついておもしろく話してくれるので、こちらも超絶おもしろい。

cotenradio.fm

日常的にお笑いライブにいくおじさんとしての活動は、さすがにほぼ自粛となった。オンライン配信でもいくつかみたが、やっぱり生のおもしろさには及ばない。はやく平和な世の中になって、ライブをたくさんみにいきたい。M-1グランプリ2020ではウエストランドが決勝進出して感無量だった。M-1グランプリ2021では(決勝進出経験者を除くと)シシガシラ、黒帯、ランジャタイ、キュウ、ダイヤモンド、ダイタク、真空ジェシカ、ロングコードダディ、滝音、ツートライブ、コウテイあたりが活躍しそうと予想しておく。

2021年に向けて

いろいろあるけど、たくましく生きていきたい。

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